譜面の恐怖(!?)

ドラマー向け専門誌として、「リズム・アンド・ドラムマガジン」(リットーミュージック刊、通称ドラマガ)というものがある。僕が中学・高校時代には、ドラムに関する唯一の情報源ということで、よくお世話になったものである。
「唯一」という表現の仕方をしたが、当時は今のように、教則ビデオやDVDといったものが普及しているわけではなかった(ちょっと待て、当時はまだDVDそのものもない時代)。いや、もっと厳密に言うと、実際にはそういったものが存在していたのかもしれないが、それらを取り扱っているような楽器店等が、当時僕の地元にはなかったというのが正確な言い方かもしれない。それ故、ドラマガは、ほぼ毎号購入し、ありとあらゆることをそこから得ようとしていた。情報源がそれしかない為に、技術的なことや、フレーズ、ドラマー或いは、アーティストの情報、また楽器に関する知識など、何かそこから得られることはないかと、貪欲になっていたというのが事実だろう。
そのドラマガなんだが、実はここ10年ぐらいは、目もくれなくなってしまっていた。読むとしても、立ち読みで済ませる程度。内容そのものが、魅力的なものが減ってしまったのだろうか。或いは、興味を惹くドラマーが減ってしまったのか。或いは、内容がマンネリ化してきていたのだろうか。確かに、目を引くような内容が減ってきているようにも感じていた。しかし、よく考えてみると、僕自身に、「何かを得よう」といった、かつてのような貪欲さなくなってしまっていたような気がする。
でも、なぜこんな文章を書こうかと思ったかというと、実は、近年全くドラマガを購入してなかった僕が、今年2005年に入って、3月号、4月号と立て続けに購入してしまったからである。3月号では、かつてJB’Sで活躍した、元祖ファンキードラマー、ジョン“ジャボ”スタークスの特集記事が。また、「バック・ビート塾」という特集は、かなり目を引く内容。4月号では、故ジェフ・ポーカロ(TOTO)の特集が。未だに人気あるんだよなあ(まあ、2ヶ月連続で、好きなドラマーが登場しているから買ってしまったとも言えるのだが…)。
そこで出てくるのが、ドラムの譜面。譜面を読みがら頭の中で両手・両足に振り分け、リズムパターンをイメージしていく。なんか、すごい久々なんだけど、こんなことするの…。例えば、3月号の「バック・ビート塾」では、記事の中で、バーナード・パーディの、いわゆるファンク・ビートのパターンが紹介されている。が、譜面を読みながら、「えーっ!?こんな位置にもゴースト・ノートが入っているの?やったことないよ、こんな叩き方!」。
また、4月号のジェフ・ポーカロ特集では、名曲「Rosanna」の、いわゆるハーフタイム・シャッフルのリズム譜が載っているのだが(代表的な部分だけだが)、「えーっ!?こんな叩き方するの?単純にダブル・パラディドルを応用しただけかと思っていたのに…」。久々に、譜面を読みながら、プレイを分析するということをやってみたんだけど、なんか、目からウロコって感じ。ドラムセットでもやってみたんだけど、もうメロメロ。
でも考えてみたら、ドラムを始めて間もない頃ってのは、好きなドラマーのリズムパターンやフレーズを真似するといったような、こういったことをマメにやっていたんだよなあ。曲をコピーする場合なんかは、当時から基本的には耳コピメインだったけど、それだけでは補いきれない部分は、譜面を読んでカバーするということをしていた。
実際、譜面はそんなに得意なわけではないのだが、それでも譜面を読んでいると、「これはどうやって叩くんだろう?」といったような、新たな疑問が出てきたりする。そうすると、それを再現する為に練習する。なんか、当時はこんなことを結構繰り返していたような気がする。やっぱり、当時はそれだけ貪欲だったってことなんだろうなあ。でも、今更ながらではあるが、改めて、こういったことが重要なんだなと感じた。またそれは、この10年間、僕はこういったことを疎かにしてきた、つまりサボっていたということでもある。
ところで、余談になるが、文中にジェフ・ポーカロの名前が出てきたので、紹介しておこう。TOTOのライヴ映像「Greatest Hits Live…And More」がDVDで発売された。90年のライヴツアーの模様がメインなのだが、動くジェフの姿を見ることができる。また、ジェフが叩いているシーンが、カットショットで映し出される箇所も多い。ジェフファンなら、絶対観るべし!
ちなみに、僕が初めて買ったドラマガは、創刊されてから間もない頃のもので、高橋幸宏とスティーヴ・ジャンセンの特集が組まれていた(表紙ももちろんこの2人)。思い出すのは、ユキヒロ特集で掲載されていた、ライヴ・ヴァージョンの「Rydeen」の、間奏部分のリズム譜(ハットで16ビートを刻む部分)かなあ。それと、白い靴を履いて、ドラムを叩いていたという話(?)。







